前回は第1回目、お廟についてを読んでいただきましてありがとうございました!
今回は予定を変更しお廟の魅力について紹介しようと思います。神様の世界とその組織の話はまた今度。書いていたんですけど…これはいきなりアクセル踏みすぎだろ、と交通業の神であり走り屋にも信仰あつい三太子に止められました。というわけで今回はこちらです。

こんにちは!中壇元帥哪吒三太子だよ。
台湾のお廟とは何かは伝わったかな?

日本でもお馴染み、斉天大聖 孫悟空だ。
お廟お廟って……なぁお廟のなにがそんな良いんだ?

といわけで今回はお廟の熱い魅力について分解して紹介してみるよ!
- 記事は個人での調べ、独自解釈を含みます。勉強中の身故、正確とは言えません。間違いなどもありますのでお詳しい方には是非教えていただけたら幸いです。
- 記事、写真、イラストの無断転載を禁じます。記事使用の際はURL引用でお願いいたします。
- 参考資料、登場神祇等は随時インフォメーションにまとめていきます。
前回の記事まとめ
台湾の宗教とは?
台湾のお廟とは?
神様を祀る祭礼儀式の場であり地域の活動の中心。公民館的な役割も。
お廟の魅力
1、華やかな装飾の建築美
お廟の前を通ってまず飛び込んでくるのはその華やかさ、煌びやかさですよね!原色使いの色の洪水のような。
石を掘られた立派な龍の柱や赤くてまん丸の提灯、門に描かれた雅やかな門神。本殿前の荘厳な香炉。線香でけぶる本殿。組木や絵で彩られた天井。たくさんの神様や法器が並べられた祭壇。
お廟は大であれ小であれその佇まいに惚れ惚れ。私はキラキラの新しいお廟より茶がかったススで真っ黒になったお廟の方が好きだったりします。
天井まで真っ黒だと人々が祈りを捧げお香を絶やさず続いてきた歴史を感じますよね。
↑ 台南昆沙宮の真っ黒くなった天井。光を鈍く反射し美しい。
お廟にもいろいろな造りがあります。横に大きくて3、4階建くらいある中国宮殿造りやすこし小さめで昔ながらの一合院造り、都会のお廟は狭く高層建。その土地に愛されてきたその姿はとても魅力的です。
↑ お廟の華麗な装飾は写真映え間違いなし。ただしお廟内部の撮影には許可をとりましょう。
2、個性溢れる神様
やはりお廟のメインは神様ですよね。
台湾のお廟には1尊といわず、同じ神様が何体も、さらに違う神様も何体もと大量に祭壇に並んでます。
台湾の神様はとても個性的!
1尊1尊それぞれ役割を持ち、性格があります。そして功徳ご利益だけでなくそこにいたるまでのストーリーも。キャラクター性があるんですよね。
↑ 台南の中壇元帥哪吒三太子の神像。同じ神様でもお廟によってバリエーションも豊か。こんなイケメンもいらっしゃる。
そんな神様達の出自は、自然、偉人、動物、物語登場人物、祖先などなど。

俺はご存知『西遊記』から!
物語由来の神様もとても多く、日本人にも馴染み深いのではないでしょうか。『西遊記』『封神演義』『三国志』『水滸伝』などをご存知の方は至るところでその名前を見つけられて楽しさ倍増です。
↑ 左から2番目は『封神演義』の楊戩(『西遊記』の二郎神)、その右隣は『三国志』にも登場する華佗
豊富で個性的な神々の中できっと推し神様が見つかると思います!
3、盛大で賑やかなおまつり
お廟では決まった日付におまつりが催されることがあります。
例えば神様の誕生日。台湾の神様にはそれぞれ旧暦でお誕生日があり、その日は廟を上げて盛大にお祝いを開催し、そのお廟にゆかりのある他のお廟も神様を乗せたお神輿を担ぎお祝いにやってきます。
台湾のおまつりは熱くて賑やかですごいですよー!もう物理で暑くて熱い。爆竹が火柱。爆竹と花火とラッパの音で耳がやられる。耳栓があった方がいいほどです。
↑火災現場でなく爆竹による火柱。神輿が入場する度に大爆発。
神様そのものを乗せた派手なお神輿。土地によってはネオンギラギラ、煙を吐いて火を噴くお神輿も。
神降ろしのシャーマン童乩(タンギー)、八家将や官将首などの顔に隈取りをして神様の格好をしたグループの演舞、人が中に入って練り歩く大きな神様の人形、音楽に乗って踊る電音三太子、人形劇や歌劇。屋台もズラリと。
↑上段右は八家将。地獄の警察で偶数人で演武する。下段左は電音三太子。おまつりで見られるナビゲーター哪吒三太子のよりポップな姿。
たくさんの信徒がそれぞれの役目をしながら盛大に執り行う台湾のおまつりはハマってしまう熱さですよ!
台湾のおまつり見てみたいなーって方はこちらをぜひどうぞ。
台南新営にある新営太子宮のおまつりに3年通ってその様子をまとめた写真集です。

新営太子宮は台湾最大の僕の廟!
毎年ここから分霊された1000尊近い神像が集まるよ!
台湾で町歩きをしていると時折聞こえて来るかもしれない爆竹とラッパの音。そんな音が聞こえてきたら是非見学してみてくださいね。
やはり台北などの北部より、南部の方が遭遇率は高めです。
4、篤い信仰心の信徒
お廟は場所であり、やはり管理してくれる人やお参りに来てくれる人がいてこそのお廟。
信心深く、親切な台湾の人々。お廟でお会いする方はことさらにあたたかく迎えてくれます。
お廟を見学していると声をかけてもらったり、この神様はねって教えてくれたりします。私自身何度もお廟でお会いする方に助けられ、教えてもらってきました。言葉がうまく話せなくても、わからなくても迎えて下さるそのお気持ちがとても嬉しく思っています。
ただ、南部のお廟では共通語が中国語でなく台湾語だったりする。しかも台湾語しか話せない、わからない人も結構いらっしゃる…。中国語もまだまだまだだってのにネ。
台湾語がわかる方は是非お話を深く聞いてみてくださいませ!
また、お廟にお参りに来る方も老若男女…小さいお子さんも若い人もお参りに来ます。世代関係なくお線香をささげ、お祈りしている姿は素敵ですね。
次回は
魅せられて止まない台湾のお廟の魅力、お届けできましたでしょうか。
まだまだ知らないことがたくさんでもっともっと知っていきたい台湾のお廟文化。
是非台湾まち歩きの際にお廟を見つけたらお参りしてみてくださいね!
次回もちょっとディープな台湾の魅力をお伝えしていきますので、どうぞよろしくお願いいたします。