前回に続きまして、台南の哪吒廟part2!
台鉄までの残り時間わずか。なんとか滑り込むだけ滑り込んだ台南哪吒廟。下林建安宮。こちらの太子爺も素敵ですよ〜!
先日のコミティアで発行した新営太子宮のお祭り写真集をBOOTH販売始めました!
詳しいご紹介はまた別記事で。
ご興味のある方はこちらからどうぞ! ↓
サイドメニューのSHOPからも繋がりますのでどうぞよろしくお願いします。
台湾のお祭りはどんなものか、熱いローカル台湾をお楽しみいただけたら幸いです!
台中~屏東無計画旅行 5日目(8月15日)
旅程
8/11 成田空港発/台中国際空港着 華信航空(マンダリン航空) AE267
台中で澎湖での友人さんと合流
宿泊:友人さん宅
8/12 台中観光(宮原眼科・台中孔子廟)
宿泊:友人さん宅
8/13 屏東へバスで移動
Ke'Lake客啦客早午餐 (←飛行機で知り合った方のお店:FB)
宿泊:屏東 台輪時尚旅店
8/14 午前 屏東市内観光
午後 台鐵で高雄へ移動
宿泊:高雄三鳳宮そばのホテル
8/15 午前 高雄三鳳宮
午後 台南お廟巡り
建安宮 ←今回はこちらです
宿泊:友人さん宅
8/16 台中国際空港発/成田空港着 華信空港 AE266
下林建安宮
下林建安宮概要
雨の強まる中、昆沙宮から建安宮までの細い路地を走り抜け見えてきた建安宮!
こちらは前回記事の昆沙宮の分香の哪吒廟です。
もともと、この下林地区は昼は農作業に勤しみ夕夜に昆沙宮に拝拝しておりました。しかし、台南古城の小西門は夜には閉まってしまい、お参りに行くのも不便であったため、下林の住民は昆沙宮から太子爺の香炉から灰を分けてもらい、金の神像を作って建安宮に太子爺を祀りました。
当時の建安宮の主祀は天上聖母(媽祖)。今では天上聖母と中壇元帥を主神としてお祀りしています。
その後下林は建安宮を中心として発展し、建安宮は下林地区の主廟と言えるでしょう。
建安宮の歴史としては180年ほど。改修もされているのでそんなに古めかしい感じはしません。大きさは昆沙宮とあまり変わりませんね。
滞在可能時間10分強
中に入ってみると、4、5人の方が。何やらダンボールを囲んで打ち合わせのような雰囲気だったので鬼月の普渡のことでしょうかねぇ。
鬼月とは台湾の旧暦7月、地獄の門が開くお盆期間のこと。
鬼月については別記事で紹介してますのでよかったら見てくださいませ。
夏休みに台湾旅行する方は知っておくとちょっと台湾旅行中の??が解決するかも。この期間は色々としちゃいけないこともあるんですよ。
正直………こういう地元の方ががっつり何かしてるとこに入るのってすごく気が引けるんですが……でもせっかくきたし……と一歩勇気を出して「拝拝好嗎?」と聞いてみた。
するとその輪の中の若めの男性がお廟内を案内してくれました。
僕も外から来たんだ!との事だからか訛りのない中文を話す……わかりやすかったし色々聞きたかった〜〜〜
ただあまりにも時間はなかった建安宮に10分もいられない計算だった……
建安宮の太子爺
焦る気持ちを抑えご案内にそって天上聖母、中壇元帥、馬府に拝拝し………
で、ですね、でですね
建安宮の太子爺がこちらです!
うむ、立派な中壇元帥。掲げた乾坤圏。よくお手入れしていただいてるんでしょうお顔も汚れなく綺麗〜。
そしてその手前。ご覧ください。
いっっっ…イケメン!!!凛々しいカッコいい可愛い!!!
なんて美少年これこそ美少年
キリリとした眉目にキッチリ結い上げられたお団子…………可愛いな〜〜ずっと見てたいな〜〜〜イケメンだな〜〜なかなか見ないなこんなイケメンくん〜
……………戻します。
この太子爺はここまで紹介してきた太子爺像とだいぶ違いますね。槍もなければ足元に車輪も踏んでない。鎧も着てません。
この太子爺は太子爺というより中壇元帥と云うより、哪吒(ナタ)太子の方が呼び方が適切でしょうか。
こちらの哪吒太子は蓮花太子と呼ばれ、中国四川省にある翠屛山哪吒行宮からやってきた太子です。
お名前の通り座っているのも蓮の花をかたどった蓮花座の上。着ているものは赤い腹掛け。
台湾の哪吒信仰は前記事で紹介した魑魅魍魎を駆逐する五営軍総統 中壇元帥としての姿が主です。
しかし、この哪吒太子は天帝に仕え中壇元帥の役職を得る前の、まだ太子とも呼ばれない“哪吒”なのです。
もっとざっくり言えば、封神演義の哪吒です。
台湾の神様と封神演義
↑高雄蓮池潭 龍虎塔までの欄干にある封神演義図。哪吒に関する絵も多い。
哪吒は元を辿ればインド仏教まで遡るのですが、今の主流であり今目にする哪吒はほぼほぼ封神演義の哪吒です。
封神演義とは、明の時代に流行した古代中国の殷周革命を舞台に神仙や妖魔がそれぞれの国に味方し不思議な道具を使ってドンパチする中華ファンタジー?小説。
西遊記と封神演義には同じ神仙が登場するもそれぞれ設定に少し違う部分があって、哪吒もその1人。
そして今の主流は封神演義。
とくに台湾のお廟で見かける神様は封神演義由来の神様がとても多いです。元の神や別の人の信仰に封神演義が混じってしまってくっついたり、元の信仰を上書きしてたりもしてます。
封神演義って文学としては評価高くないですが……人気度はばつぐんだったということです。
日本のジャンプで連載してた藤崎竜先生の封神演義が人気を博し、キャラクターの誤読が世に広まるようにね……哪吒はナタクでなくて、ナタなんですよ。
フジリュー封神のあのナタクくんは最終のコスチュームが大好きですゴーグル取って口元隠してんの、すごい刺さったイイヨネ。
封神演義の哪吒
哪吒は封神演義の中で、
東海龍王の太子を殺し、怒った龍王が父の治める関に攻め入った際、自害することでその怒りを鎮めます。 体を父母に還し、魂だけとなった哪吒は師である太乙真人に復活するための方法を教えてもらいました。復活の方法は行宮を建ててもらい、香を絶やさないこと。母は夢の中で救いを求めてきた息子のため、父に内緒で翠屛山に哪吒を祀る行宮を建てたのです。
その翠屛山が四川省にあるのです。まさに哪吒信仰の祖というわけです。
ここからは余談ですが…
復活の期限まであと少し。哪吒行宮は願いを叶えてもらえると母だけでなく沢山の人がお香を供えに来ましたが、近くを通りがかった父李靖が関に危険を呼んだ子の神像に激昂し、哪吒の像を壊してしまいます。復活の手段を失った哪吒は太乙真人に救いを求め、太乙真人は蓮の葉や根、花を使って身体を作り、哪吒を蓮花の精として復活させたのです。
翠屛山の哪吒が蓮花太子と呼ばれる理由、転じて哪吒のモチーフに蓮が多いのはこれからですね。
私事ですが…哪吒好きになったら蓮の花も根も異常に好きになり、夏の早朝には高速かっ飛ばしてカメラ構えに行くようになりましたし、蓮根グッズも見つけ次第回収するようになりました…。…哪吒くんのパワーは恐ろしいですね。
ブログ開始当初は蓮写真も上げてました。よかったらどうぞ……
建安宮からとってもマニアックなお話になってしまいまして申し訳ございません…。
しかしやはり台湾民間信仰において西遊記、封神演義は必修科目。
漫画やゲームの各種西遊記、封神演義を読んでおくとお廟に行った際に知った名前と会えて楽しいこと間違いなし!
さて、建安宮にもどりましょう。
ほんっっっとここの哪吒太子はなかなかお目にかからないくらいのイケメンですね!
ううかっこかわいいずっと眺めていたい。
お兄さんが横でいろいろと説明をしてくれて次はここを拝拝だよ!って案内してくれるんですけどそれどころじゃなく私もうこの太子ずっと見てたいんだけどダメですか。
しかし台鉄までの時間も残り…20分…
これはそろそろ本格的にヤバいとバタバタとお別れし、雨の中カッパを着込んで自転車に飛び乗りました。
台中へ
地理感があんまりないけど大体駅まで10分、自転車清算して行李房で荷物受け取ってギリギリ……いけるか…?
ちゃんと台湾の車線通りに走り、大通りに出てもう出せるだけのスピードでひた走る。
これほんと事故ったらアウトだな〜自分が危険極まりないのもわかってました申し訳ございません……。
台南は大きい道も多ければ車通りもやはり多い。さすがは古の首都台南。
とりあえずあまりに切羽詰まりすぎて記憶がない。
なんとか駅が見えてきて、公共自転車の清算にもたつき、転がるように行李房へ。
荷物を受け取りそのまま台南駅へ入る。カッパは捨てた。
所定のホームに出て……残り4分………………頑張った……………
16時、台鉄に揺られて台中へ戻ります。
もうこの無計画旅行もおわりですね。
また台南きたいな、いくら回ってもお廟が尽きない。あとちゃんとした格好で林百貨店リベンジしたい。
次回は
長々続けてしまいました旅行記も最終!
台中から成田へ戻ります。
最後は台中空港の朝便をご紹介しますね。
またどうぞよろしくお願いいたします。