さて今回は屏東旅行記前にちょこちょこ出ている台湾の“鬼月”という風習について触れてみようと思います。
今回の旅行日程が旧暦7月1日~6日でばっちり鬼月で、鬼月ってどうなのが念頭にあり…しかもこの日程じゃ関門にも中元節にもかからなく…台湾行くかも悩みどころでした。
鬼月の行事は何もみれませんでしたが、会った方に鬼月って?を聞いてみたのでまとめてみますね。
今度夏休みに台湾に旅行される方はちょっと気にしてみてくださいな。
続いての屏東旅行記は13日夜。
屏東太子宮の後に連れて行っていただいた屏東玉皇宮のご紹介をしようと思います。
情報過多でキャパオーバーするデパートみたいなお廟…を紹介したかったんですが鬼月長くなりすぎたんで分けます!
玉皇宮で神明の紹介なんかしたらえらい長さになってしまう、すみませんまた次回で!
そして10月の16〜19日で今年も台南にある中壇元帥哪吒三太子を祀る新営太子宮に行くこととなりました。
そこまでにこの旅行記は終わるかなぁ?
………頑張ります。
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— キカ@8/11-15 台中〜屏東間放浪 (@dkdk1071) August 11, 2018
台中~屏東無計画旅行記
台湾文化 鬼月について
鬼月とは?
“鬼月”( グィユェ)
台湾では旧暦7月1日〜旧暦7月31日までの一ヶ月間を鬼月と呼びます。
新暦だと2018年は新暦8月11日〜新暦9月9日までですね。日本的にいえばお盆かな。
この期間は台湾において、地獄の釜を開き鬼が外に出るため、“なにもしない一ヶ月”といわれます。
鬼とは日本の節分などの鬼のイメージとは違って幽霊、孤魂(身寄りなく適切な送りがされなかった魂)のこと。
幽霊が地獄の警察に取り締まられることなく人間界に出てくる一ヶ月間ということですね。
ちなみに台湾では”鬼”(グィ)と言わず、敬意を込めて”好兄弟”(ハオションディ)と呼んでます。
鬼月の活動
開門
旧暦7月1日0時に地獄の門である鬼門が開かれます。
鬼門が開いたら、小さい廟は門を半分閉めるか完全に閉じるかし、その間はお廟の行事や活動もストップです。
中元節(旧暦7月15日)に行われる中元普渡が終わり次第、お廟の門は開かれるそう。
中元普渡
普渡とは鬼門から出てきて人間界で遊びぶ好兄弟の供養のため、たくさんの食べ物や冥界のお金をお供えする行事。
お廟以外では普渡は必ず中元節にしないといけないという訳でなく、休日や人が集まりやすい日に行うようで台中の友人のマンションでは8/19(旧暦7/9)に行うと掲示板にあありました。
旧暦7月15日の中元節では一番好兄弟が集まるとして、お廟はもちろん会社やお店、個人宅のあらゆる玄関先にお供え物がされるそうです。
関門
そして旧暦7月31日24時
鬼門は閉じられ、人間界で遊んでいた好兄弟たちはまた陰間(地獄)へ…。
鬼月の終了です。
まぁ今回は日程的にもどの行事も見れなかったわけですが!普渡見たかった~~
いつからいつまで廟閉めるよっていう広告はちょこちょこ見たんですが…
門を閉めてるのも小さいお廟だけですね。大きいお廟は門が閉まることなく開いてました。
それは何でか聞いたところ「大きいお廟は鬼が怖くないんじゃない??」とのざっくりとしたお答えを(笑)
怖くないというか好兄弟をおもてなしできるんでしょうね、小さいお廟だとおもてなしまではできないということ…かな?
有名なお廟の普渡をまとめてくださった方がいらっしゃいました。詳しくはこちらをご参考くださいませ!
鬼月のタブー
鬼門の中から出てくる好兄弟は無縁仏から極悪人までさまざま。中には力が強い鬼もいます。
その鬼が外にでて好きに遊んでいる鬼月では、生きている人間には様々なタブーがあります。
・結婚、企業、不動産購入はしてはいけない
御祝い事などは目立つので避ける。旅行も避けた方がいい。
・水辺で遊んではいけない
水場には霊が溜まりやすく、水に引きずり込まれるという。海水浴NG。
・洗濯物を外に干してはいけない
洗濯物の水分に霊が集まり、それを着ると乗り移られる。
・夜に口笛を吹いてはいけない
音を聞いて集まってくる。鈴もだめらしい(知らずに付けてた根付は没収されました^^;)
・夜に写真を撮ってはいけない
映り込んだ霊は相当力があるので映ったらヤバイヤツデス(でもこれがなかなか守れないんだな)
他にもいろいろありそうですが、時代の変遷や年代で変わっているものもありそう。
屏東の店長夫妻は「昔は夜に髪を切ってはいけないがあったけど今はあまり」ともおっしゃってましたし。
また、台中の20代の友人さんは「あまり廟にいかない方がいいんじゃないか」とも。
この「廟にいかない方がいい」は旅行前から気にかかっていて、お廟いけないと私どこいったらいいんだ?!くらいに思ってまして…
屏東で鬼月にお廟で拝拝していいのか聞いてみたところ「問題なし」とのご回答をいただいたので、気にしないことにしました!(笑)
あ、もちろん門が閉まってて入れないお廟には入りませんが。
鬼月の文化
鬼月の風習て日本人的にはなかなかない文化じゃないですか。1ヵ月も目に見えないものを気にして、決まり事を守って。
でもちゃんと台湾の人は守ってるんですよね。若い人ももちろん。
鬼月は子供のころから日常のひとつにある文化なんですね。
しかし、やはり現代社会
スーパーやデパートは鬼月商戦!
この時期のスーパーには普渡につかうあの世のお金や祭礼品が売られ、お供え用のどでかいお菓子が売られ、店内のポップも鬼月仕様。
「鬼才想要」(幽霊さえ欲しい)とかね。
かなり興味深かったんですが写真撮れなかったのがな~、残念。
コンビニのお菓子も鬼月仕様になります。
で、その鬼月仕様のイラストには八家将の七爺と八爺が描かれることも多いみたいなんですよね。
それは彼らが地獄の神に仕える獄卒だから。地獄の警察というか。
どっかで一個くらいは見つかるんじゃないかな~と探してみたらセブンイレブンにありました!
↑舌を出してる白いのが七爺、黒くて背が低いのが八爺
今回帰りの飛行機も機内持ち込みにしたんですがこれが見事にひっかかった。そういえば中身ゼリーだった。(冬瓜茶味)
取り出して見せたら、あーーー…ってなんとも言えない顔されました^^;
台湾の鬼月に接してみて
今回初の(さわりだけの)鬼月体験をしたわけですが……
実際過ごしてみて思ったのは、鬼月は台湾の人の中に根付く暮らしの一部だということ。
信心深いからとか、そういうことでなくもう日常の決まりのひとつなんですよね。
開門や普渡は見れていないのですが…
個人的に普渡は神様に対する廟会とはまた違い、葬祭のように人に対する儀式はより道教的な匂いが強いと感じています。
いつか開門の儀式を見てみたいですね。
次回は
予告通りいかなくてすみません。次こそ屏東玉皇宮編です!
すこし神明の説明もできたらいいなあなんて。
私が好きな神明の偏った説明になってしまうかもしれませんが…
封神演義西遊記などでもお馴染みの神様がたくさんいらっしゃる玉皇宮。
次回もどうぞよろしくお願いいたします。
次回記事はこちら ↓